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田中角栄さんとの思い出 |
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東京都知事選の表舞台に元首相の細川護煕さんや小泉純一郎さんが出ていらっしゃいましたね。私が歴代首相の中でご縁のあった中のお一人が田中角栄さんです。
田中角栄さんと対談し、「世界の主役」という番組で全国放映されたことがありますが、すごく実行力のある方だなと思ったエピソードをお話しましょう。
中央アフリカのボカサ大統領という方がいらっしゃて、ご招待を受けて行ったことがあります。その当時、中央アフリカには北朝鮮も韓国も東ドイツも西ドイツも大使館があっのに日本だけがなかったのです。私が「田中さんは国連を中心とした外交を日本もやっていきたいって仰ってますね。中央アフリカという国は元フランス領でボカサ大統領が、一言声をかければアフリカの23か国の元首たちとも意志疎通のできるのに日本の大使館がないというのは残念ですね。あそこに大使館を作ったらいかがですか?」と申し上げたら、それこそ鉛筆なめなめって感じで、「えっ、中央アフリカ?」とか言って紙に書いていました。
1週間後に中央アフリカの大使だという方が私の麹町の事務所に「ありがとうございました。」とお礼のあいさつにいらしたんですね。「どうしたのですか?」と聞きましたら「今朝の新聞を見なかったですか?あなたが田中角栄首相に進言してくださったので、中央アフリカに全権特命大使を出してくれました。」というお話しでした。
私はそれを聞いて、一週間で外務省に言ってすぐ実行されたというのは、すごく実力と実行力ある首相なんだなとその時思いました。その大使がおっしゃるには「自分は元外務大臣だったけど日本という強力な国との外交を深めるため5年前から日本に大使として赴任しました。ここ五年間、毎日のように外務省に対して是非中央アフリカに大使館を開いてくださいってずっとお願いしてきたんですけど、なんにも起こらなかった。でも、あなたの進言の一言で首相が特命全権大使を出してくれました。本当にありがたいことです。」とおっしゃっていました。
田中さんは最後は病に倒れられましたが、とても惜しい方でしたね。田中さんは自分の国、日本にとっての資源外交を彼は始めたんだと思います。それに対してアメリカのセブンシスターズと呼ばれる石油のメジャーの会社などによって田中さんは貶められたというか、あのような形で総理の座を降りなければならなくなったというのはとても残念ですね。その一件を見てから日本の政界、政治家、官僚も財界人もマスコミもなんとなく闇の権力を意識し、アメリカを恐れ、アメリカの方を見て今だに言いなりになっているという現状があるのです。田中角栄さんのその一件にやっぱり発端があったかと思います。
アメリカの影に潜んでいる「闇の権力」という存在についてはいろいろな本で詳しく書いておりますのでお読みになってみて下さい。
いつまでもアメリカのご機嫌を伺うことなく、国益を守る人が政治に携わって欲しいと思う今日この頃です。 |
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