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【2014年03月13日】フレデリック・フォーサイス |
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フレデリック・フォーサイス |
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もうすぐイギリスへ行きますが、作家のフレデリック・フォーサイスさんにロンドンのご自宅でお会いしたことがあります。作家にも本当にいろんなタイプがあって、彼にどのようにしてあのように複雑な作品が書けるのかと思って聞いてみました。
彼の場合、最初にストーリーが頭の中にズバッと浮かんでくるそうです。その時に2か月もかけてこのストーリについてのロケ班をどこでしようかというリストを作るんだそうです。ストーリーを振り返りながらリストを作っていく。あと3か月をかけて、リストで作ったロケ地に全部行き、それを細かく取材して書き上げていくそうです。そんなやり方で「ジャッカルの日」とか「アフガンの男」など書いてますね。
彼は、最初はBBCのレポーターとしてアフリカに行っています。いろんなアフリカの国が飢饉がきたとかで餓死状態の人たちもいるのに、せっかくトラックで送ってきた食料を困っている人に与えるのではなく、トラックがどこかへ運び去って捨てているのを目にしました。そういう状況をみてBBCに連絡しても、BBCは全然違うことを言って、自分はここにきて目の前で起こっていること報告しているのになんなんだという気持ちを感じたそうです。結局、ある地方をみんな餓死させて、からっぽにしようと思ったら、そんなひどいことさえすることがわかったのです。アフリカでBBCを辞めて「ビアフラ物語」とか作家として書き始めた方なんですね。ですから彼の場合には、心の世界とつながっていて、さきほど書いたように、上からズバッと物語が入ってきて、一連の過程を経て一作一作を書き上げていったんです。
私がカダフィ大佐にインタビューの為リビアへ行った時、当時リビアにいた三井物産の所長さんが「お待ちになっている間、フレデリック・フォーサイスの本をお読みになって下さい。」ということで5冊くらい持って来て下さったんですね。そのような本を私は読んだこともなかったのですが、なんてすごい本なんだろうと思いました。出てくる悪人たちも、物凄い知能を使って色々とやるんですね。こういう悪人たちがいい方向にこれだけの精力を傾けたら、どんなに世の中はすばらしくなるんだろうって、読んだ後に考えたこともあります。
本人に会ってお話を伺わないと分からないところでしたけれど、とても感銘深い対談ができました。 |
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