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【2015年10月08日】フランシス・コッポラ監督との思い出 |
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フランシス・コッポラ監督との思い出 |
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この頃の私たちを取り巻く環境を見るとき、地震、火山の噴火、格差社会、軍事的な意味でも騒々しくなっているときに、人生のどん底とも言えるような状態の中でフランシス・コッポラの放ったことばがとても印象に残っています。彼は、「ゴッド・ファーザー1」を作った1970年代初頭に600億円もの収益を手にしていました。普通の監督ならそのままゆうゆうと暮らしていくかもしれませんが、新たな作品に挑戦した彼は「地獄の黙示録」を作ったことにより多額の借金を負っていました。
私がテレビのインタビュー番組の為にコッポラさんを訪れたのは、明日にもスタジオが競売にかけられ、すべてを失おうとした時だったんですね。
ちょうど、ヒューストンで「アウトサイダー」という青少年達の映画を撮っていた時です。ヒューストンは石油の採れる所なので、そこに暮らす裕福な青年と貧しい青年との対立を描いていました。この映画のシナリオはヒューストンの女の子が書き、コッポラさんに届けて映画化されたそうです。
私がヒューストンに着いた時、シカゴからPRの人がやってきました。「コッポラ監督から日本から大事なお客様が来るので来て欲しいと言われて来ました。」とおっしゃっていましたが中年の腕利きの女性でした。「昨日までタクシーを50台使っていたんですが、半分にしました。」と言っていました。それぞれの若者達の撮影が真夜中まで続いてましたが、今、ハリウッド・スタートして有名になっているトム・クルーズやマット・ディロンたちが出ていましたね。
ヒューストンの学校の校舎を使って撮影している中、彼の長女がパーッと部屋に入ってきて「パパ,頑張れ!」とか書いてましたね。彼女は映画監督になったソフィア・コッポラで「マリー・アントワネット」なんかも制作しています。奥様は映画のセットデザイナー、息子さん二人もトレイラーでフィルムの編集などをしてして家族みんなで映画作りに協力していました。
撮影現場でコッポラさんにインタビューをした時、「あなたに取って最も感動的なことはどんなことですか? 」と聞いたら「壁にぶつかった時ですよ。あらゆる智恵をふりしぼり、困難な壁によじのぼってそれを越えた時に、一次元上がったという素晴らしい感覚を得られるんです。こういうことのない人生は意味がないと思います。」これが、彼が全てを失った時のコメントなんです。彼は宇宙の法則、人生の目的とは何であるかを知っているんですね。この世に生まれる目的は魂を磨いていく事であり、人生は魂に取っての修行の場なんだというです。とても感動的なことばでした。
数年前にコッポラさんの伝記がテレビで放映されるということで、私がインタビューした時の映像を貸して欲しいという依頼があり、DVDを送らせていただきました。そのお礼に彼がカリフォルニアに持っているぶどう園でできた赤と白のワインを送って下さいました。ラベルにコッポラと書いてあるんです。
この厳しい時期に熱い言葉として思い出されます。
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